オリジナルウマ娘小説余話

プリンスの寝不足イベント

【寝不足で……】
「夜更かし気味」になってしまった
※次ターンお休み&お出かけで即解消しました

『翔べ速く遠く』53話の余話です。



ルームメイト達が皆寝静まった合宿所の大部屋。プリンスは1人、布団をかぶってスマホの画面を凝視していた。
画面に映っているのは、自分の担当トレーナーのインタビュー記事。

『そう。個性的な子っていうのはそういう得意不得意がすごくはっきりしているものですが、彼女はまさにその典型例。僕はこういう個性的なウマ娘は好きですよ』  

記事では、自分のことも話題にあがっていた。

——僕はこういう個性的なウマ娘は好きですよ

プリンスはその一文を何度も反芻し、その意味を咀嚼する。

——好きですよ

「……好き」

レースウマ娘としてのタイプについて言っているのは明白。
なんならその発言の本質はきっと、好走条件が広いとは言えない自分を庇うところにあるということまでわかる。
少なくともプリンスはそう受け止めていた。

わかっている。
わかっているよ。

けど。

けど。

……けど。

『人柄はどうですか?』
『すごくいい子。だけどああ見えて、素直じゃないところがあります(笑)。良い子すぎて抱え込んじゃうというか、思ったことをなんでも言う子じゃない——』

「言えるわけ、ないじゃん」

プリンスはそう呟くと、布団から顔を出して辺りを見回し、そしてスクリーンショットを撮った。

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